世界と地域をつなぐ子育てサポート。シングルマザーとして歩む挑戦 – NPO法人ToriCote理事・川野利花子インタビュー

愛知県一宮市を拠点に、親子向けの文化イベントや国際交流事業を行うNPO法人ToriCote(=以下:ToriCote)。

その活動の中で、海外とのつながりや多文化共生の分野を中心に活動しているのが、理事を務める川野利花子です。

一宮で2歳の娘を育てながら、海外進出コンサルタントとして企業の国際展開を支援する川野。2025年にはミス・ユニバース愛知代表として全国大会にも出場し、産後うつの啓発や多文化共生をテーマに発信を続けています。

この記事では、川野のこれまでの歩みと、ToriCoteの活動を通して世界に伝えたい想いをご紹介します。

川野利花子 Rikako Kawano

ミスユニバース・ジャパン2025愛知代表/海外進出コンサルタント

これまでにアメリカ、イタリア、メキシコでの留学・就労経験を持つ。アメリカでの孤独な子育ての中で産後うつを経験したことをきっかけに、「同じ思いをする母親をなくしたい」という想いを抱く。現在は地元・一宮市を拠点に活動するNPO法人ToriCoteの理事を務め、外国籍の親も安心して子育てができる社会を目指し、国際交流イベントやコミュニティづくりを行っている。

目次

一宮で子育てをしながら、世界とつながる仕事を

まず、現在の活動について教えてください

川野:私は現在、シングルマザーとして2歳の娘を育てています。去年アメリカから帰国し、家族のいる地元・一宮に戻ってきました。

これまでアメリカ、イタリア、メキシコなど海外での留学や就労を経験してきて、現在は海外進出コンサルタントとして、日系企業が海外市場に挑戦する際のサポートをする仕事をしています。

一宮での生活を始める中で、袴田や石垣と出会い、子育てサポートの活動 「Cocoro Family(ココロファミリー)」 を一緒に立ち上げました。

親子が安心して集まり、楽しく交流できる居場所をつくりたいという思いから市民活動団体として登録したのですが、そこから少しずつ活動が広がり、現在はNPO法人ToriCoteの親子サポート・国際交流の取り組みへと発展しています。

国籍を問わず、さまざまな文化背景を持つ親子が、芸術や言語に触れながら安心して交流できるイベントをつくってきて、今後は日本人家庭だけでなく、海外にルーツを持つご家族にも、一宮や日本で安心して暮らせる環境づくりに力を入れていきたいと思っています。

世界に興味を持ったきっかけ

海外や国際的な分野に興味を持ったきっかけはなんですか?

川野:私は生まれてからずっと一宮で育ちましたが、高校時代にアメリカへ留学してからは、海外で学び、異なる文化の中で生活することにどんどん興味を持つようになりました。

その頃から、「海外をもっと知りたい」「世界を見てみたい」という気持ちが強くなっていましたね。

大学は授業が全て英語で行われる国際系の大学に進学し、イタリアへの交換留学や、メキシコへのインターンなど、国際的な環境の中で学ぶことができました。

卒業後は、アメリカの日本国総領事館で翻訳・通訳の仕事を経験しました。総理の出張に同行したり、国連総会に関連する外交業務に携わったりと、とても貴重な経験でした。

その後は日本へ帰国し、抹茶の会社で働いたり、ビール会社で営業をしたりと幅広い仕事を経験しました。

あとは海外生活が長かったからか、帰国してからは日本文化の魅力を改めて感じるようになり、趣味で茶道や琴を習い始めたりもしましたよ。

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ユニバース2025の愛知県代表として

川野さんは2025年にミス・ユニバース愛知代表として全国大会にも出場されています。挑戦したきっかけは何だったのでしょうか。

川野:中学生の頃に、ミス・ユニバース・ジャパンのディレクターが書いた本を読んだことがきっかけでした。

それまで私は
「細い=美しい」
「女性は可愛ければいい」
という価値観を持っていたのですが、その本を読んで「美しさ」の考え方が大きく変わりました。
ミス・ユニバースは、外見だけでなく、社会にメッセージを届ける存在でもあると知ったんです。

そこからミス・ユニバースへの憧れを持つようになりましたが、当時は「自分には無理だろう」と思い、挑戦することはありませんでした。

その後、海外での生活やさまざまな人生経験を重ねる中で、自分自身の価値観も少しずつ変化していきました
留学や海外生活、そして結婚、出産、さらに離婚も経験しました。娘が生まれた直後には産後うつにも苦しみました。

異国の地で交通手段もない中、娘と二人きりの生活が二ヶ月半ほど続いたのですが、それはもう孤独な時間でした。

そんな時期に、ミス・ユニバースのルールが変わり、既婚者や母親も出場できるようになったんです。
そのお知らせを見たときに、「今の自分だからこそ伝えられることがあるかもしれない」と思いました。

「産後うつについてもっと知ってほしい」
「同じように悩んでいる人の力になりたい」

そう思った私は、ミス・ユニバースは単なるミスコンではなく、社会に声を届けることができるプラットフォームだと考えるようになりました。

そして、自分の経験を誰かの希望につなげられたらと思い、シングルマザーとして挑戦することを決めました。

ミス・ユニバースの発信をすることで見えてきたこと

ミス・ユニバースの大会に出場して、何か変化はありましたか?

川野:もともと、人前で話をすることがあまり得意ではなく、ましてや自分のつらい経験を人前で話すことなんて初めてだったので、はじめはすごく抵抗がありました。

「こんな話をしていいのだろうか」
「周りからどう思われるだろう」
と、不安な気持ちもありましたし、自分が決めたこととはいっても勇気が必要でした。

でも勇気を出して発信を続けてみると、
「私も同じです」
「あなたの経験を知ることができてよかった」
という声をたくさんいただくようになりました。

同じように悩んでいる方が想像以上に多いことや、「一人じゃないんだ」と感じてくださる方がいることを知り、私自身も救われた気持ちになりました。

– 自分の経験が、誰かの安心につながったり、社会問題を知るきっかけになったりする。

それを実感できたことが、ミス・ユニバースに挑戦した後の一番大きな変化だったと思います。

そして、その経験を自分の中だけにとどめるのではなく、地域の活動にもつなげていきたいと考えられるようになりました。

私自身の経験を通して感じてきた「孤独を感じやすい子育ての時期だからこそ、支え合えるつながりが欲しい」という思いを、ToriCoteでの活動にも活かしていきたいと思っています。

一宮という街の魅力について

一宮の好きなところはどんなところですか?

川野:まずはモーニングが安くて美味しいところですね(笑)。アメリカだったら同じ内容で2,000円くらいすると思います。

もちろんそれだけでなく、ファミリー層にとっては子育てがしやすい街だと感じています。

シングルマザーで、娘が保育園に入る前は「どこに行けばいいんだろう」と悩むこともありました。

でも一宮の子育て支援センターは施設もきれいで、保育士さんもとても優しくて、何度も助けられました。

そういう場所がある街だからこそ、ToriCoteでも、親子が安心して集まれる居場所をつくっていきたいと思っています!

NPO法人ToriCoteで実現したいこと

これからToriCoteでどんな活動をしていきたいですか?

川野:ToriCoteには、アーティスト、保育士、語学や観光のプロなど、本当に多様なメンバーがいます。

それぞれが違う分野の専門性を持っているからこそ、芸術や子育て支援、国際交流などを組み合わせた、他にはない活動ができるんです!

袴田さんと私は語学が得意なので、海外から来たご家族が日本で孤独を感じないようなイベントや、地域の子どもたちが外国語や世界の文化に触れられる機会を継続的に作っていきたいと思っています。

地方に住んでいると、どうしても海外や異文化に触れる機会が限られてしまうこともありますが、身近な場所でそうした体験ができる場をつくれたら嬉しいです。

また、親同士がつながれる場所づくりや、健康的な美しさをテーマにしたイベント、メンタルヘルス向上につながる企画なども考えています。

子育て中はどうしても孤独を感じやすい時期なので…少しでも安心して交流できるコミュニティを広げていきたいです。

3月には、日本文化を海外のファミリーに伝えるイベントも始まります!日本の季節文化や食、音楽などを通して、親子で楽しみながら交流できる企画です。

ぜひ私たちのイベントに、気軽に遊びに来ていただけたら嬉しいです。

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読んでくださった方へのメッセージ

最後に、読んでくださった方へのメッセージをお願いします。

川野:一宮は観光客が多い街ではありませんが、世界的に見ても、まだまだ魅力を発掘できる場所だと思っています。

名古屋にも近く、暮らしやすい環境があり、地域の人たちも温かい。そんな場所だからこそ、外から来た人にとっても安心して生活できる街になれる可能性があると信じています。

私たちは今後もこの街の魅力を発信していきますし、子育てをしている人たちが孤独にならないような活動を、ずっと続けていきたいと思っています。

皆さま、ぜひ応援してくださると嬉しいです!

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